床(しょう)矯正治療をご存じですか?

歯並び、かみ合わせは全身の健康にも大きく影響します。そのため、早期治療が重要です。
しかし、一度削ったり、抜いた歯は元には戻せません。そこで、生涯にわたる歯の健康、全身の健康を視野に入れた治療が求められるようになってきました。

歯を残すことに重点を置いた、歯を抜かない歯科矯正治療を「床矯正治療」と言います。具体的には、あごを拡げて歯を並べる画期的な矯正治療です。

床矯正Q&A

歯科の治療であごを拡げることができるのですか?

あごを拡げると言う表現を使っていますが、厳密に言うと歯を支えている「歯槽骨(しそうこつ)」を歯が正しく生える位置に変化させるということなのです。あごというのは一般的に、女の子は14歳、男の子は17歳まで成長すると言われています。
このあごの成長の止まるまでに不正咬合を解消し、口元の形態・機能を正常に整えることが重要になってきます。 そこで床矯正が役に立つのです。(図1参照)

床矯正をするには、時期はいつごろが良いですか?

5歳以上であれば、なるべく早い時期が良いです。保護者の方が、お子様の歯並びや、口元の状態が「おかしいな」と感じられたら、早期に歯科医院にご相談下さい。

床矯正の治療はどのように進められるのですか?

床矯正に用いられるのは、入れ歯の一種のようなものです。床矯正装置には、ネジが組み込まれていて、プラスチックでできている床が動いて、歯を前に移したり、後ろに下げたり、また同じ原理であごを横に拡げていきます。このネジを調整して行くことで矯正効果が上げられます。(図2参照)

小さな子供でも、長時間装置をつけていられますか?

初めは、違和感があり発音がしにくいので、嫌がる子供さんもいるかも知れません。しかし、この装置はいつでも着脱可能です。逆に言えば好きな時に、いつでも口から取り出すことが出来るということです。
装置が邪魔になってしまう時は、外してしまっても構いません。
少し楽な気持ちで、子供さんに「かっこ良くなろうね」「かわいくなろうね」と励ますと、矯正の目的を理解して、きっと頑張ってくれると思います。