歯周病治療について

歯周病は、知らないうちに
歯肉の骨がなくなってしまう
恐ろしい疾患です
歯に付着する歯垢(プラーク)は細菌のかたまりで、その細菌の中にむし歯菌や歯周病菌が存在し、わずか1mg中に10億もの細菌が住みついています。実は、成人の約8割のかたが歯周病に感染していると言われており、気づいていないだけですでに歯周病になってしまっている可能性があります。しかし、歯周病は早期発見・早期治療で改善することができます。
こんな場合はご相談ください
- 歯がぐらぐらする
- 歯肉が赤い
- 歯肉から膿が出る
- 歯肉が腫れている
- 口臭を指摘された
- 口の中がねばつく
当院の歯周病治療
治療内容

スケーリング
「スケーラー」と呼ばれる専用の器具を使用して歯や歯肉との境目に付着した歯垢(プラーク)や歯石を取り除きます。歯みがきなどの日ごろのお手入れだけでは、歯垢(プラーク)や歯石をしっかりと取り除くことはできないため、歯科医院での治療が必要です。当院では、エアフローという細かいパウダー粒子を歯に吹き付けて汚れを落としていきます。少ない痛みでしっかり汚れを除去することができます。

SRP
スケーリングと歯周ポケット内に付着した歯石を取り除くルートプレーニングを組み合わせた治療です。歯垢(プラーク)や歯石をしっかりと取り除き、汚れがつきにくいように表面をツルツルに仕上げます。

内科的治療
細菌の種類に合わせて薬を服用することで、体内の歯周病菌を減らし、症状の改善を目指す治療です。治療に伴う痛みや不快感はなく、比較的短い期間での改善が期待できます。
内科的治療と外科的治療の比較
内科的治療 | 外科的治療 | |
---|---|---|
患者さんの 負担 |
位相差顕微鏡と必要に応じてPCR検査を行い、その結果を基に、歯周病の原因菌を除菌するためのお薬を3~7日間ほど服用していただきます。痛みはありません。 | 麻酔や切開、剥離、縫合などの外科処置を行うため、痛みを伴うことが多くあります。また、消毒や抜糸など、複数回の通院が必要です。 |
治療期間 | 約1ヵ月間 | 約半年 |
治療の 再現性 |
治療前のPCR検査、お薬の服用、歯垢(プラーク)・歯石の除去、治療後のPCR検査の順で治療を行います。 | 施術者の技術力や、ご自宅でのセルフケアによって効果が異なります。 |
期待できる 効果 |
歯周病の原因菌の種類や数に合わせたお薬を服用しながら歯垢(プラーク)・歯石の除去を行うため、施術者の技術力による差が少なく、高い精度で除菌を行うことが可能です。また、治療前後のPCR検査により視覚的に治療の成果を確認することができます。(PCR検査は必要に応じて行います。) | 歯肉を切開し、視認して歯垢(プラーク)・歯石の除去を行えるため、除去効率が向上します。 |
その他 | お薬の服用によって歯周病の原因菌を直接除菌するため、外科的治療と比較して処置や麻酔などによる痛みがほとんどありません。 | 手術後に歯肉が下がり、冷たいものがしみるようになったり、歯が長く伸びたように見えることがあります。また、ご自宅でのセルフケアによって効果が異なります。 服用しているお薬や持病によって適応できないことがあります。 |
BEFORE
AFTER
内科的治療の前と治療後の細菌の状態です。
お薬の服用により
歯周病の原因菌を除菌します。
症例
治療の流れ

- 1 位相差顕微鏡検査
- 歯肉や歯周ポケットの状態を確認し、歯科用CTやレントゲン撮影による検査・診断を行います。また、位相差顕微鏡を使用して口腔内に潜む細菌を観察することで、歯周病のリスクを診断します。

- 2 治療前のリアルタイムPCR検査(必要に応じて)
- 口腔内に生息する細菌のうち、特に歯周病の原因となる5種類の細菌がどのくらい存在するかを調べるためのPCR検査を行います。

- 3 お薬の処方・服用
- PCR検査の結果を基に、検出された歯周病の原因菌に対して効果的な抗生物質を処方し、患者さんに服用していただきます。

- 4 お口全体のクリーニング
- お薬による除菌を行った後に、歯垢(プラーク)・歯石を取り除く口腔内全体のクリーニングを行います。

- 5 治療後のリアルタイムPCR検査(必要に応じて)
- 再度PCR検査を実施し、治療の効果を確認します。
治療後は、健康な口腔内を維持するためにも、定期的なメンテナンスに通っていただきます。
注意点・リスク・副作用
・治療後は、一時的に知覚過敏の症状が出る場合があります。
・歯肉が改善すると腫れがおさまるため、歯肉が下がったように見える場合があります。