イビキと健康について 2022年8月29日(月)

イビキや睡眠時無呼吸症候群による健康被害が注目されています。周囲の人からイビキを指摘されて耳鼻科を受診する方もいますが、イビキには、口の構造や機能も深く関わってきます。

🟢イビキのメカニズム

睡眠中、口呼吸をしていると舌がのどに落ち込んで気道が狭くなり、空気が狭い気道を通るときに粘膜が振動してイビキが発生します。イビキをかいている人は、十分に呼吸ができていないので眠りが浅く、睡眠不足に陥ってしまいます。日中も眠気があり、集中力や記憶力が低下し、無気力やイライラするようになります。

🟢睡眠時無呼吸症候群

睡眠時無呼吸症候群とは、『一晩(7時間)の睡眠中に10秒以上の無呼吸が30回以上起こる。または、睡眠1時間あたりの無呼吸数や低呼吸数が5回以上起こる』という症状です。

睡眠中に呼吸が止まった状態(無呼吸)が断続すると、血中酸素の不足や強い睡眠不足のストレス状態に陥ります。

🟡日中の眠気や集中力の欠如は、学力の低下や居眠り事故を引き起こします

🟡心疾患、脳卒中、高血圧症、糖尿病、腎炎、肥満の発症の原因ともなります

🟡厚生労働省の調査では、睡眠時間1時間あたりの低呼吸数が20回以上起こる場合、5年後の生存率は84%まで低下すると報告されています

⭐️イビキと口輪筋の関係⭐️

口輪筋(唇の周りの筋肉)が弱くなると、舌を支える筋肉も弱くなって舌の沈下をもたらします。口輪筋の筋力低下は、肥満や加齢、赤ちゃんの時の授乳の影響などが考えられます。イビキを指摘されている方は、口輪筋の筋力低下も疑ってみましょう!

歯科衛生士 佐藤