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一期治療と二期治療、その違いをまず知ることから
お子さんの前歯が少し傾いて生えてきて、矯正を考え始めた保護者の方は多いのではないでしょうか。子供の矯正には「一期治療」と「二期治療」という段階があり、目的も始める時期も異なります。この記事では両者の役割や開始の目安、費用の考え方までを整理し、かかりつけ医への相談にお役立てください。
この記事の要点まとめ
- 一期治療は6〜10歳頃、顎の成長を利用して永久歯の土台を整える段階です。
- 二期治療は13歳頃以降に、歯並びと噛み合わせを細かく調整する段階です。
- 一期治療後の移行判断や費用の考え方、装置に慣れる工夫についても解説しています。
子供の矯正における「一期治療」と「二期治療」の役割と違い
子供の矯正は、成長段階に合わせて大きく二つに分かれます。それぞれ狙いが異なるため、まずはその違いを押さえておきましょう2。
骨格の成長をサポートする「一期治療」の目的と対象年齢
一期治療(Ⅰ期治療)は、子供の歯と大人の歯が混ざり合う6歳〜10歳頃に行う矯正です。歯を一本ずつ動かすというより、顎の成長を利用して永久歯が並ぶための土台を整えることに主眼を置きます2。
拡大床(プレート)やマウスピース型の装置で顎の横幅を広げたり、成長のバランスを誘導したりします。当院では、食べる・話す・呼吸するといったお口の機能を健やかに育てることを重視しており、見た目だけでなく発育への配慮も大切にしています。
歯並びを細かく整える「二期治療」の目的と開始のタイミング
二期治療(Ⅱ期治療)は、永久歯がすべて生えそろう13歳頃以降に進む段階です。ワイヤー矯正やマウスピース型矯正で一本一本を細かく動かし、噛み合わせと歯並びを整えていきます3。
大人の矯正に近い内容ですが、一期治療で土台が整っていれば移動量が少なく済む場合もあります。一期は「環境づくり」、二期は「仕上げ」とイメージすると分かりやすいでしょう。
一期治療を始めるのに適した時期と具体的な判断基準

「いつ相談すればいいの?」という疑問は、多くの保護者の方が抱くところです。歯の生え変わりや顎の成長を目安に考えていきましょう1。
前歯の生え変わりが目安となる一般的な開始年齢と兆候
上下の前歯が永久歯へ生え変わる小学校低学年(7歳〜8歳頃)が、受診の一つの目安です2。特に受け口(反対咬合)や出っ歯(上顎前突)の傾向が見られる場合は、顎の成長に関わるため早めの相談をおすすめします。生え始めの前後は見た目だけでは気づきにくい変化もあるので、7歳までに一度ご相談いただくと、その後の見通しを立てやすくなります。
一期治療から始めるメリットと将来的な抜歯リスクの軽減
一期治療では顎の横幅を広げるなど骨格的なアプローチができるため、永久歯が並ぶスペースを確保しやすくなります。その結果、二期治療に進んだ際にも永久歯を抜かずに(非抜歯で)並べられる可能性が高まると期待できます2。ただし歯の動き方には個人差があり、結果を保証するものではない点はご理解ください。
永久歯が生え揃うまでの「経過観察期間」の通院頻度と過ごし方
一期治療を終えてから二期治療に進むまでの数年間は、永久歯の生えそろいを待つ「経過観察期間」です。この間は数ヶ月に1回程度の通院で、生え変わりの状況やお口の状態を確認します。装置装着中はむし歯のリスクが高まりやすいため、丁寧な歯みがきと定期的なチェックによるむし歯予防が、この時期の大切なテーマになります1。
【よくある誤解】一期治療だけで終わるケースと二期治療が必要になる判断基準

「一期治療をすれば二期治療は不要になるの?」という点は、費用の見通しとも関わる大きな関心事でしょう。ここを整理しておきます3。
一期治療(骨格矯正)のみで治療を完了できる具体的な条件
顎の骨格的なバランスが整い、永久歯が自然に適切な位置へ生えそろい、噛み合わせにも大きな問題が見られない場合には、一期治療で区切りとし、あとは経過観察で完了となるケースもあります2。ただし成長には個人差があるため、開始時点でどちらになるかを断定するのは難しいのが実情です。
二期治療への移行が必要となるケースと判断のタイミング
顎のスペースは確保できても、個々の永久歯にねじれや傾きが残り、細かな噛み合わせ調整が求められる場合には二期治療へ移行します。判断は永久歯がおおむね生えそろう時期に、噛み合わせの状態を診て行います3。一期治療は二期治療を必ずゼロにするものではなく、その後の負担を軽くすることを目指す治療と捉えておくとよいでしょう。
移行時におけるトータルコストの考え方と当院のサポート
一期から二期へ移行する際、多くの歯科医院で費用の一部を調整する料金システムが採られています。当院の料金はⅠ期矯正550,000円、Ⅱ期矯正770,000円(いずれも税込)を目安とし、デンタルローンや医療費控除もご案内しています。当院ではセファロレントゲンや歯科用CT、口腔内スキャナー(iTero)を活用した詳細な診断と、丁寧なカウンセリングによる明瞭な料金提示に努めています。
お子さんが矯正装置を嫌がった場合の対処法と学校での管理
一期治療では取り外し式の装置を使うことが多く、日常での扱いに関する不安もよく聞かれます。
装着を嫌がるときのご家庭での声かけとご負担を軽減する工夫
治療の初期は違和感や痛みが出やすいものですが、多くの場合1週間前後で慣れていきます。頑張りを言葉にして認めるポジティブな声かけや、装着時間を少しずつ延ばして慣らしていく工夫が役立ちます。無理に叱るより、達成を一緒に喜ぶ姿勢がモチベーションの維持につながります2。
学校(給食や体育など)での装置の取り扱いと紛失・破損対策
就寝時中心に使う装置なら昼間の学校生活への影響は少なめですが、日中も使う場合は取り扱いに注意しましょう。外したときは専用ケースに保管する習慣をつけ、ティッシュに包む扱いは紛失の原因になりやすいので避けます。体育やスポーツ時のルールは、あらかじめ担当医に確認しておくとよいでしょう。
よくあるご質問
Q. 一期治療だけで矯正が完了することはありますか?
A. 顎の土台が整い、永久歯が自然に良い位置へ生えそろった場合には、経過観察で区切りとなるケースもあります。ただし成長には個人差があり、開始時点で断定はできないため、経過を診ながら判断します。
Q. 一期治療を始めるのは何歳頃が目安ですか?
A. 上下の前歯が生え変わる7歳〜8歳頃が一つの目安です。受け口や出っ歯の傾向がある場合は、より早めのご相談をおすすめします。
Q. 一期と二期の両方を受けると費用は二重にかかりますか?
A. 多くの歯科医院で移行時に費用を調整する仕組みがあります。当院ではカウンセリング時に料金を明確にご案内しています。
Q. 経過観察期間はどのくらいの頻度で通院しますか?
A. 一般的に数ヶ月に1回程度です。生え変わりの確認とむし歯予防を目的に、定期的に来院いただきます。
Q. 装置を子供が嫌がったらどうすればよいですか?
A. 多くは1週間前後で慣れていきます。頑張りを認める声かけや、装着時間を少しずつ延ばす工夫が役立ちます。気になる点は担当医にご相談ください。
参考文献
1. Minds ガイドラインライブラリ(公益財団法人 日本医療機能評価機構). https://minds.jcqhc.or.jp/
2. 日本小児歯科学会. https://www.jspd.gr.jp/
3. 公益社団法人 日本歯科医師会. https://www.jda.or.jp/
函館ラサール中学校・高等学校 卒業
東京医科歯科大学 歯学部歯学科 卒業
福岡はなだ歯科クリニック 研修医終了
たくま歯科医院 勤務
日本小児矯正研究会 POJ Young Faculty
日本口腔外科学会
日本小児歯科学会
赤ちゃん歯科ネットワーク
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