口臭と舌苔 2021年12月2日(木)

みなさん口臭について少なからず興味があると思いますが、いろいろな種類があるのを知っていますか?

口臭は国際的には以下の5つに分類されています。

①真性口臭症(生理的口臭)

②真性口臭症(病的口臭-歯周病由来)

③真性口臭症(病的口臭-全身疾患由来)

④仮性口臭症(精神的に自分に口臭があると思い込むもの)

⑤口臭恐怖症(真性・仮性口臭症の治療では改善が期待できないもの)

これらの中で実際に口臭があるのは①~③の真性口臭症で他人が明らかに不快な臭いを感じるものとされ68%を占めています。

今回はこの真性口臭症について詳しくお話しします。

先に記したように真性口臭症は3つに分けられます。

口臭の原因物質の主体は揮発性硫黄化合物で特有の臭いを発します。

 

 

①生理的口臭

成分-硫化水素

原因-口腔内の清掃不良により蓄積されたプラークや舌苔

特徴-卵が腐った臭い

②病的口臭(歯周病由来)

成分-メチルメルカプタン

原因-歯周病や重度のう蝕、唾液線の機能低下

特徴-野菜が腐った臭い

③病的口臭(全身疾患由来)

成分-ジメチルサルファイド

原因-肝臓疾患などの全身疾患

特徴-生ゴミの臭い

これらの原因物質である揮発性硫黄化合物は嗅覚を麻痺させる作用もあり、自分自身では臭いを強く感じていないと考えられています。

まず、口臭の原因物質いわゆる口臭成分はどのようにしてできているのでしょうか。

私たちが毎日摂る食物やプラーク細菌などのたんぱく質や炭水化物を、歯周ポケットや舌苔にいる菌がとり込む。

それらを代謝・分解し、揮発性硫黄化合物を産生する。

揮発性硫黄化合物がいったん唾液に溶け出す。

気化して呼気に含まれ口臭となる。

 

この時どこで口臭成分が産生されているのかで、歯周病由来の病的口臭であるのか、舌苔やプラークが原因の生理的口臭であるのかを判別することができます。

まず歯周病由来の場合、歯周病に特徴的な臭いの成分は歯周ポケット内で発生するメチルメルカプタンです。ほとんどの歯周病菌が口臭成分を産生しますが、特に強力で大量の口臭成分を生産するのはレッドコンプレックスのP.gingivalisです。この口臭成分であるメチルメルカプタンの毒性は高く歯周組織の破壊に最も関与し悪化させると指摘されています。また歯周病患者は多くの舌苔を持つと知られています。

次に、舌苔が主に発生源となる生理的口臭です。舌苔は舌の奥の方に付着する白~薄茶色の細菌の塊です。舌の表面は広く、食事の度に多種類で多量の栄養素があるため呼吸の度に、多くの臭気が放出されます。

加齢による唾液分泌の低下により舌苔が増加し、歯周病由来の口臭成分であるメチルメルカプタンも口臭を強くしている因子のひとつです。

 

このようにお口の中からくる口臭は、毎日の舌清掃や歯磨きなどのセルフケアで、歯周ポケット内は定期的に歯科医院で行うプロフェッショナルケアで減らすことができます。

継続的に行うことで改善されるので、しっかりケアしていく事をオススメします。

また、仮性口臭症の場合もあるので、気になる方はお気軽にご相談ください!

ブログ担当 歯科衛生士 上出でした❄️