小学生が硬いものを食べないのはなぜ?偏食と噛む力を考える手がかり|旭川市の小児矯正|たくま歯科医院

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小学生が硬いものを食べないのはなぜ?偏食と噛む力を考える手がかり

小学生が硬いものを食べないのはなぜ?偏食と噛む力を考える手がかり

給食は残すのに、家で小さく切れば食べられる理由


「食べ終わるまで時間がかかります」。入学後、担任の先生からこう連絡を受け、給食の肉や生野菜を残す理由が気になり始めた方もいるでしょう。硬いものを避ける背景には、食感の好みのほかに、生え替わりや歯の違和感、噛む動きの育ち方が重なっていることもあります。家庭で見ておきたい食べ方と、相談を考える目安をまとめました。


この記事の要点まとめ


  • 硬いものを避ける背景には、食感の好みや歯の生え替わり、口の動きが関わることがあります。
  • 噛む側や口に残る様子、食材や食事時間を記録し、家庭と給食での違いを把握します。
  • 食べられる硬さから食材を調整し、痛みやむせ、片側噛みが続く場合は歯科などへ相談します。

小学生が硬いものを食べない理由は、好き嫌いだけ?


肉や生野菜だけを避けるなら、食感にも目を向ける


肉の筋、レタスの繊維、噛んだときのシャキッという音。子どもが食べ物を受け入れるかどうかには、味だけでなく食感が大きく関わります。食感の好みは成長とともに移り変わり、いろいろな食感にくり返し触れることで広がっていくと報告されています1。ただ、「嫌がる」という様子だけで理由を決めることはできません。


生え替わりや歯の痛みで噛み方が変わることもある


小学1年生ごろは、前歯の乳歯がぐらつき始める時期です。奥の乳歯の生え替わりは一般にもう少し後です。揺れる歯があれば、その側を避けて噛むのは自然な反応でしょう。むし歯や歯ぐきの腫れが隠れている場合もあります2。「生え替わりだから」と痛みを我慢させず、どこが気になるのか本人に聞いてみてください。


「歯を見れば育ちがわかる」とは言い切れない


歯の状態だけで、家庭での育て方や噛む力を決めつけることはできません。口の中の様子は手がかりの一つ。食材や食べ方、困っている場面を合わせて見ていく必要があります32。原因は「口の中」と「食卓」の両方から探すのが基本です。


噛む力が気になるとき、家庭で見る食べ方の手がかり

噛む力が気になるとき、家庭で見る食べ方の手がかり

片側ばかりで噛む・口に食べ物が残る様子を確認


左右どちらで噛んでいるか、飲み込む前に頬の内側へ食べ物がたまっていないかを見てみましょう。一度の食事で判断せず、肉・生野菜・ご飯など食材ごとに1週間ほどメモしておくと傾向がつかめます。片側噛みが続く背景には、歯の痛みや噛み合わせの状態が関わることもあります2。


給食と家庭で、時間や食べられる大きさを見比べる


給食の肉は残すのに、家で小さく切れば食べられる。この差は大切な手がかりです。大きさや切り方で食べやすさが変わるなら、噛み切る動きやすりつぶす動きのどこかに負担がかかっているのかもしれません。残しやすい献立や食べ終わるまでの時間を、担任の先生に聞ける範囲で聞いておくと相談時に役立ちます3。


噛むと痛がる・むせるときは練習をいったん止める


噛むたびに顔をしかめる、食事中に何度もむせる。こうした様子があるなら、硬いものに慣れる練習より、口の状態の確認を先にしてください。いつ、どの食材で起きたかを控えておけば、歯科医院で状況を伝えやすくなります2。


硬いものを無理に増やさず、食材をどう調整する?

硬いものを無理に増やさず、食材をどう調整する?

肉は薄く切り、生野菜は加熱から試す


肉は繊維を断つ向きに薄く切り、やわらかく仕上がる調理法を選びます。生野菜は軽く加熱して歯ごたえを和らげ、食べられたら火を通す時間を少しずつ短くしていきます。大きさと歯ごたえを同時に変えず、どちらか一方ずつ調整すると、つまずいた点が見えやすくなります21。


噛む練習は「食べられる硬さ」を出発点にする


食感への慣れ方には個人差があり、くり返しの経験が受け入れを広げると考えられています14。目指すのは硬い食材を食べさせることではありません。「30回噛む」と回数を一律に求めず、痛みや顎の疲れ方を見ながら、今食べられる硬さから一段階だけ進めます。なお、食感と食べる量の関係を調べた研究には重い脳損傷のある少数の子どもを対象としたものもあり5、健康な小学生の基準としてそのまま当てはめることはできません。


丸い食材や大きな塊は、詰まらせない形にする


ミニトマトやぶどうのような丸い食材は切り分け、肉の塊は一口で入る大きさに。座って落ち着いて食べる、口に詰め込まないといった習慣も一緒に伝えましょう3。むせが続くときは、調理の工夫だけで様子を見続けず、相談を考えてください。


旭川市で相談するなら、いつ・何を伝える?


片側噛みや痛みが続くなら歯科へ相談


片側噛みが数週間続く、噛むと痛がる、歯のぐらつきが気になる、食事時間の長さが変わらない。こうした状態は歯科医院への相談を考える目安になります2。体重の増え方や食べる量が気になるとき、むせを繰り返すときは、小児科などへの相談も合わせて検討しましょう3。


たくま歯科医院では歯と噛み合わせの何を確認できる?


歯科医院では、歯や歯ぐきの状態、生え替わりの進み具合、噛み合わせ、舌や唇の動きなどを診察で確認し、ご家族と相談しながら方針を考えます。食べる・話すといった機能の育ちに遅れがみられる口腔機能発達不全症にあたるかどうかも、確認する視点の一つです2。レントゲンや歯科用CTなどの検査は、診察のうえで必要性を判断し、目的の説明を受けてから行われます。


給食の困りごとをメモし、相談先を確認する


平日に親子で動ける時間は限られます。受診前に「残しやすい食材」「家で食べられる切り方」「痛みやむせの有無」「噛む側」の4点をメモしておけば、短い診察時間でも状況が伝わります。相談方法や受診前の案内は、受診先の公式サイトなどで確認してから予約を取ると、当日の流れがつかみやすくなります。


よくある質問


Q1. 噛む力が弱い子どもには、どんな特徴がありますか?


A. 食事に時間がかかる、片側ばかりで噛む、飲み込む前に口に食べ物が残る、丸飲みに近い食べ方をする、口を開けたまま噛むといった様子が見られることがあります。ただし、これらだけで噛む力不足と判断はできません。歯の痛みや生え替わりが関わる場合もあるため、続くようなら歯科医院で口の状態を確認してもらいましょう。


Q2. 噛む力を育てる食べ物はありますか?


A. 特定の食べ物で一律に育つわけではありません。根菜の煮物、きのこ、少し歯ごたえを残した野菜など、今食べられる硬さより一段階だけ噛みごたえのあるものを少しずつ取り入れる方法があります。甘いお菓子や飲み物を控えめにし、栄養バランスのよい食事内容を意識することは、むし歯を防ぐうえでも役立ちます。噛む習慣は顎の成長や舌の発達、歯並びとも関わるとされるため、無理のない範囲で続けることが大切です。


Q3. 噛み癖や食べ方の特徴はADHDと関係がありますか?


A. 食べ方や噛み癖だけで、発達の特性を判断することはできません。歯科では歯や口の状態、噛み方を確認できますが、発達面の心配がある場合は小児科などに相談するのが一般的です。気になる様子をメモしておくと、どちらの相談にも役立ちます。


Q4. 相談や検査にはどのくらい費用がかかりますか?


A. むし歯の確認など健康保険が使える診療か、自由診療(公的医療保険が適用されない)の歯並びの相談・矯正治療かによって費用は変わります。小児矯正の初期治療は20万〜60万円程度が一般的な相場であり、当院の費用ではありません。この費用には、装置の費用のほか、検査料や毎回の調整料が別にかかる場合があります。治療期間は一般に1〜2年程度が目安とされ、その間はおおむね1〜2か月に1回程度の通院で装置の調整や経過の確認を行うことが多いです。期間や通院回数は、歯並びの状態や成長の進み方、装置の種類によって変わります。また、成長後に本格的な矯正(第二期治療)が必要になり、追加の費用がかかることもあります。実際の費用は医療機関により異なります。当院の費用は診察のうえでご案内しますので、受診前に不明な点は確認しておくと安心です。


Q5. 小児矯正にはどのようなリスクや副作用がありますか?


A. 一般に、次のようなリスクや副作用が起こることがあります。


  • 装置を着けた直後や調整後に、歯の痛みや押される感じが数日続くことがある
  • 装置が口の中に当たり、頬や舌、唇の内側に口内炎や傷ができることがある
  • 装置に慣れるまで、話しにくさや食べにくさ、違和感を感じることがある
  • 歯みがきがしにくくなり、むし歯や歯肉炎が起こりやすくなる
  • 取り外し式の装置は、使用時間が足りないと予定どおりに進まないことがある
  • まれに歯の根が短くなる(歯根吸収)ことがある
  • 治療後に歯並びが元に戻ろうとする(後戻り)ことがある

起こりやすさや程度には個人差があります。気になる症状があるときは、治療を受けている歯科医院に早めに相談してください。


参考文献


1. Chow CY, Skouw S, Bech AC et al. A review on children's oral texture perception and preferences in foods. Critical reviews in food science and nutrition (2024). PMID: 36300653 / DOI: 10.1080/10408398.2022.2136619

2. 日本小児歯科学会 https://www.jspd.gr.jp/

3. 厚生労働省「健康づくりサポートネット(疾病・健康に関する情報)」 https://kennet.mhlw.go.jp/information/

4. Lasschuijt MP, Forde CG. The Art of Chewing: Optimizing Early Life Sensory Exposure to Develop Healthy Eating Behavior. Nestle Nutrition Institute workshop series (2024). PMID: 39586288 / DOI: 10.1159/000540142

5. DeMatteo C, Law M, Goldsmith C. The effect of food textures on intake by mouth and the recovery of oral motor function in the child with a severe brain injury. Physical & occupational therapy in pediatrics (2002). PMID: 12506821


詫摩 厚太

歯科医師


たくま歯科医院

日本小児矯正研究会 POJ Young Faculty

詫摩 厚太

▶ 監修者プロフィール

経歴
北海道教育大学付属旭川小学校 卒業
函館ラサール中学校・高等学校 卒業
東京医科歯科大学 歯学部歯学科 卒業
福岡はなだ歯科クリニック 研修医終了
たくま歯科医院 勤務
資格・所属学会
一般社団法人国際歯周内科学研究会
日本小児矯正研究会 POJ Young Faculty
日本口腔外科学会
日本小児歯科学会
赤ちゃん歯科ネットワーク